地上圏

 

大地は動物や植物にとっての楽園である。生き物に対し、時に豊穣な実りをもたらし、時に 厳しい条件を課するが、全体としては動植物の生存を 保証するものとして存在する。また他方で、「気圏」との対比においては、否定的な意味合いも有する。すなわち、聖に対する俗、光明に対する暗黒、善に対する悪の「圏」と見なされるためである。この場合には、前者が猛禽類に代表される鳥類によって示され、後者は大蛇に代表される爬虫類で示される。両者の闘 いで分が悪いのはつねに腿虫類であり、この普遍的な神話構造には、肯定的な価値の勝利を願う人聞の根源的な欲求が投影されている。

 

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