図1 核にある遺伝子DNA(染色体DNA)は、代々、父親と母親から半分ずつ受けついだものであるが(緑色の矢印)、ミトコンドリアDNAは母親からしか受けつがない(赤色の矢印)。中央の子供から見て、曾祖父母の代のご先祖は8人いるので、染色体DNAのある遺伝子が誰から伝わったかは8人すべてを調べなければわからない。大昔の先祖をたどることはほぼ不可能である。ミトコンドリアDNAは図で右上の曾祖母からしか伝わっていない。何代前のご先祖でも容易にたどり着くことができる。

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図2 DNAポリメラーゼによって遺伝子DNAの新しい鎖が作られるようす。1、上下のDNAの鎖はG(グアニン)とC(シトシン)またはA(アデニン)とT(チミン)という部分が結合して二本鎖を形作っている。遺伝子DNAは、普通はこのような状態で存在している。2、一本鎖にほどかれかれたDNA。この図には省いたが、もう一方の鎖も一本鎖になっている。3、プライマーが結合して部分的な二本鎖のできたところから、DNAポリメラーゼのはたらきによって新しい鎖が伸び始める。上の鎖に対して、GとCまたはAとTが結合するように新しい鎖は作られる。この図では省いたもう一方の鎖に対しても同じ反応が進んでいる。4、できあがった2本鎖DNA。1で初めにあった二本鎖と完全に同じ文字配列である。

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図3 PCR法によってDNAの2本鎖が連鎖反応的に増加する。オレンジ色の逆向き矢印で表した二本鎖のDNAは、1サイクルのPCR反応のたびに数が2倍に増える。4サイクルの後では2×2×2×2=24=16倍のコピーができる。20サイクルの後には約100万倍のコピーができる。

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