第三部
建築のアヴァンギャルド
東京帝国大学医科大学法医学教室
東京帝国大学医科大学法医学教室は明治39年(1906)年2月に竣工の煉瓦造二階建。文部省技師山口孝吉が、病理学、解剖学、法医学、薬学の各教室を一群の建物として設計したものの一つ。この四棟は赤門から延びる通りに調和の取れた家並みを形成した。ここに掲げた法医学教室の建物は古典主義の様式でまとめられており、「I」字型平面の両端と中心部をわずかに張り出たせ、下に下層櫛形アーチと上層半円アーチの双窓と単窓を交互に配することで律動感を出している。