あいさつ


 

 

総合研究資料館は、東京大学所蔵学術資料公開促進事業を推進しています。その具体的な成果を問うべく、平成六年には、本学の諸部局に分蔵されている文化史関係の資料を中心に、特別展示「東京大学コレクション (I)−東アジアの形態世界」を開催しました。

今回は、東京大学コレクション (II) として、「動く大地とその生物」を開催する運びとなりました。

東京大学は明治10年の創立以来、日本の大学としては初めて、日本・東アジア地域の自然とその成り立ちなどを明らかにするため、地質、岩石、鉱物、動物、植物、古人類などについて、広範囲な自然史研究を展開してきました。研究を通して収集された膨大な資料が学内の各部局に保管され、専ら研究に、教育に利用されてきました。これらの資料の一部は、学外や諸外国の研究者からも着目され、研究のため、海外に貸し出されもしましたが、これまで一般に公開される機会はありませんでした。

本展示は、副題が示すように、自然史関連の資料の中から、地球の表層の生成流転とそこで展開された生物の進化と多様性を垣間みることができる資料約150点を選び、展示を構成することになりました。展示する資料の中には動植物のタイプ・スペシメンなど、学術的価値の高い資料が含まれています。

図録では、これらの資料の学術上の意義、価値、特徴などが、それぞれの研究分野の専門家により、詳しく解説されています。しかし、展示は、単なる学術上の価値を伝えるだけではなく、資料を通して日頃接する機会が少ない、自然の造形やその魅力を知る機会にもなることを願って企画されました。

最後に、この特別展示図録を出版・作成するにあたり、ご協力頂きました学内外の関係者の方々に厚くお礼申し上げます。

1995年6月
総合研究資料館特別展示実行委員会


図録執筆者(五十音順)
秋山 忍(国立科学博物館植物研究部)
犬塚則久(東京大学医学部解剖学教室)
歌田 実(東京大学総合研究資料館)
浦野貴士(東京大学総合研究資料館)
遠藤一佳(東京大学大学院理学系研究科地質学教室)
太田 秀(東京大学海洋研究所海洋生物生態部門)
大場秀章(東京大学総合研究資料館)
岡本 隆(愛媛大学理学部)
小澤 徹(東京大学大学院理学系研究科鉱物学教室)
小野寺節(東京大学大学院農学系研究科応用免疫学講座)
坂本一男(東京大学総合研究資料館)
島崎英彦(東京大学大学院理学系研究科地質学教室)
清水正明(東京大学総合研究資料館)
正路徹也(東京大学大学院工学系研究科地球システム工学科)
白山義久(東京大学海洋研究所海洋生物生態部門)
諏訪 元(東京大学大学院理学系研究科人類学教室)
高槻成紀(東京大学大学院農学系研究科野生動物システム学講座)
田付貞洋(東京大学大学院農学系研究科害虫学研究室)
棚部一成(東京大学大学院理学系研究科地質学教室)
谷内 透(東京大学大学院農学系研究科水産学科)
鳥海光弘(東京大学大学院理学系研究科地質学教室)
服部正策(東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設)
馬場悠男(国立科学博物館人類研究部)
速水 格(神奈川大学理学部)
藤井敏嗣(東京大学地震研究所地質研究部)
村上哲明(東京大学理学部附属植物園)
矢島道子(成徳学院)

総合研究資料館特別展示実行委員会

委員長
 青柳正規(文学部教授・資料館長・古典考古学)

委員
 歌田実(総合研究資料館教授юw)
 大場秀章(総合研究資料館助教授・植物学)
 鈴木和夫(大学院農学系研究科教授・森林植物学)
 諏訪元(大学院理学系研究科講師・人類学)
 棚部一成(大学院理学系研究科教授w)
 谷内透(大学院農学系研究科助教授・水産動物学)
 鳥海光弘(大学院理学系研究科教授w)
 西野嘉章(総合研究資料館助教授pj)

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