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陶磁器

(中国・朝鮮・日本)


45 白磁十長生文瓶


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朝鮮
李朝時代(18〜19世紀)
高さ32.0cm、胴径20.4cm
資料館美術史部門

白磁は李朝陶磁の美的特質を最もよく表わすものとして評価が高い。そうしたものの多くは、李朝初期のおおどかな量感にあふれた、質朴とも儒教精神にあふれたとも見える、やや曇った釉調の白磁である。しかし白磁自体は李朝を通して作られており、中期には澄んだ釉調で、軽やかな姿の白磁が作られるようになる。

この十長生文瓶は後期の作で、よく言えば陰りがないが下手をすれば重みに欠ける釉調の白磁である。文様は白土をちょうどケーキのデコレーションのように絞り出して描いたいわゆる「いっちん」という手法による。十長生は元日に王が家臣に下賜するといった、長寿を象徴する吉祥文様である、歳画に通じる、朝鮮ならではの文様といえよう。

(矢島律子)


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