プロジェクト概要/ 地理部門所蔵サンゴ礁コア試料データベース地理

プロジェクト概要

 総合研究博物館地理部門が,太平洋10つのサンゴ礁島から1980年以降採取した,現成(完新世)サンゴ礁コアの位置,調査日,コア写真,記載,年代測定結果を,データベースとしてまとめた.

 コアを採取したサンゴ礁島は,琉球列島沖縄本島,与論島,石垣島,マリアナ諸島グアム島,ロタ島,パラオ諸島堡礁,ミクロネシア連邦ポナペ島,マーシャル諸島マジュロ環礁,クック諸島アイツタキ,ラロトンガの10で,各サンゴ礁で2?6本のコアを採取した.掘削深度は,最大25mで,のべ掘削長は303mに及ぶ.コアの年代と堆積速度を求めるために行った,放射性炭素年代測定数は合計113点である.  コアは主に,サンゴ礁掘削のために開発されたエンジン式のハンドボーリングマシンによって行ったが,石垣島とパラオ諸島では,仮設やぐらを組んで工事ボーリングを行った.  コアは半割(一部3分割)され,サンゴ,石灰藻,固結した生物遺骸片,未固結の生物遺骸片など,構成が記載された.データベースでは,採取時の記載をそのまま pdf 化して採録したが,一部新たに記載し直した.また,すべてのコアの写真撮影を行った.

 データベースは,世界中のどこからでもオンラインアクセスして検索できること前提としてHTML形式で作成した.また,採取地点の基本情報に加えて記載結果,写真,年代測定結果に容易にアクセスできるような簡便な構成にした.これにより総合研究博物館が重点的に取り組んでいるデジタル・ミュージアムの基盤データとして利用することが期待される.  データベースは,これまで公表された学術論文の基礎データをもとに作成しているため,研究者に対して学術成果の理解を促すことにつながるとともに,このデータベースはサンゴ礁コア写真等の客観的事実データからなるため,これらのデータを用いた展開研究が期待できる.このデータベースは太平洋地域を広くカバーしているため,生物地理的研究にも適しており,地理学の研究者のみならず生物生態学の研究者に対して,極めて重要な情報を提供することが予想される.また,本プロジェクトによって,これまで十分に整理されていなかった貴重な学術標本が,統一的基準のもとで保管されたことにより,今後は研究者からの閲覧希望や貸し出し依頼に対して,早急に対応することが可能となり,価値ある学術情報の発信に大きく貢献することが期待できる.


データベースの構造

タイトルページ(top.php)

----調査位置図(index.php・pacific.gif)

------沖縄本島(okinawa.files)

----------------調査日時、採取地点、調査位置、公表論文(HTMLファイル)

----------------コア写真(GIFファイル)

----------------コア柱状図、年代測定結果(PDFファイル)

--------与論島(yoron.files)

--------石垣島(ishigaki.files)

--------グアム(guam.files)

--------ロタ(Rota.files)

--------パラオ(palau.files)

--------ポナペ(ponape.files)

--------マジュロ(majuro.files)

--------ラロトンガ(rarotonga.files)

--------アイツタキ(aitutaki1.files)

地理部門所蔵サンゴ礁コア試料データベース東京大学総合研究博物館